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文学・評論 外国の著者13
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文学・評論 外国の著者13
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文学・評論 外国の著者13
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ベートーヴェンの生涯 (岩波文庫)


ロマン・ロラン 片山敏彦
¥ 525 通常24時間以内に発送
★★★★★

ベートーヴェンの生涯 (岩...
この作品が執筆されていた頃はベートーヴェンのヨゼフィーネのへの熱烈な恋愛がしたためられた「十三通の恋文」がまだ、発見されていなかったので、ロランは不滅の恋人の相手をテレーゼにしているが、これは誤りだった。 ロランは偶然かどうかこの新発見のわずかばかりの後に死んでいる。 歴史は資料の発見などにより更新される運命にあるが、これはロランにとっては大きなショックだったといえる。 確かにロランのベートーヴェンへの敬愛が強過ぎたとは言える。 だが、ベートーヴェン研究に一鍬加えた作品である。感動的だった。ただ、ロランのベートーヴェン像は実際のベートーヴェンと どれだけ一致するのか、という疑問も持った。 ロランのベートーヴェン像は神格化されていると言ってもいいくらいに立派な人間だ。 しかし、ベートーヴェンは自尊心が高くわがままだった、という話も聞く。 この本ではそうしたことは全く描かれていない。 感動的だったが、この本に描かれるベートーヴェンはロランによって神格化されてはいまいか。正しいベートーヴェン像に近づくためには、他の本も参照しなければ、と思った。 決して読みやすい本ではありません。 分...

ドリアン・グレイの肖像 (新潮文庫)


オスカーワイルド
¥ 620 通常24時間以内に発送
★★★★★

ドリアン・グレイの肖像 (...
友人バジルによって仕立てられた一枚の肖像画、そこに湛えられた限りなき美によって 己に潜む果てなき崇高を知るところとなった主人公ドリアン。 かぐわしき青年と肖像画の間に取り結ばれた奇妙な契約関係、いかなる罪を重ねども、 年月を経れども、彼の穢れと老いはすべて絵画によって引き受けられ、男は不滅の美貌を 表現し続けることとなる。この関係、すべて世に産み落とされた罪人と無辜の神の子イエスの それに似る。 しかし、人間にとって美はあまりに過酷なもの、その重みを前にしてついにドリアンは… 芸術の気品に比して人間存在の耐えがたき軽さを諭すかのように、登場人物が過剰に淡白に 命を失する物語の展開もさることながら、この小説においてあまりに圧倒的なのは、序文に はじまり細部に至るまで、これでもか、と繰り出されるアフォリズムの数々。プロットなど はるか後景に追いやられ、ワイルドのモノローグが濃密に畳みかけてくるそのさまには、 もはや述べるべきことばを失う。 この小説に見出されるべき壮絶なる文学史の系譜、例えばダンテ、ヘルダーリン、ゲーテ、 ノヴァーリス、無論文中に組み込まれたシェイクスピアも。...

哲学入門 (ちくま学芸文庫)


バートランドラッセル
¥ 1,050 通常24時間以内に発送
★★★★★

哲学入門 (ちくま学芸文庫)
ラッセルに興味がある人は必読です。場合によってはこれだけでいいかもしれません。 原書のタイトルは”Problems of philosophy"(「哲学の諸問題」)で、まさにタイトルどおり、ラッセルが哲学の問題と考えたトピックと、そのラッセル流の解法がわかりやすく説明されています。ラッセルの業績はいろいろありますが、そのエッセンスが全て詰まっています。こんなにきれいに哲学の問題が解けちゃうの?と思う人もいるかもしれませんが、それがラッセルの持ち味です。実際に解くのにラッセルも苦労しています。 確かに、いつの間にかラッセルは時代遅れになってしまった観があります。ラッセル流の解法が行き詰まってしまったのも事実ですが、ラッセル以降の哲学者はラッセルが本気で関わっていた核とでもいうべき問題を、ウィトゲンシュタインの問題で迂回しただけのような気がします。 ラッセルの英語は読みやすいので、興味のある人は英語で読みましょう。英語で読んだ方が分かりやすかったりします。なんたって、ラッセルはノーベル賞作家(?)ですよ。「哲学入門」と銘打つ書籍はあまたあるが、実態は「哲学史」か「説明」が殆ど。 本...

未来のイヴ (創元ライブラリ)


ヴィリエ・ド・リラダン 斎藤磯雄
¥ 1,575 通常24時間以内に発送
★★★★★

未来のイヴ (創元ライブラ...
復刊以来、静かに版を重ねているは意外にもリラダンファンが多いことを示している。「人造人間の創造」というミステリアスな題材や壮麗なレトリックに惹かれるのだろうが、その内容は深遠な思想を核にした一筋縄ではいかぬ寓話である。 主題は大きくわけてふたつ。まず青年貴族エワルドの純愛を軸とする「理想」の哲学的探求だ。女性の美しさとは? 魅力とは?……を起点に、前半、天才科学者エディソンとエワルドが弁証法的対話を展開。人間性の深奥まで踏みこんだ女性論や恋愛論をかわし、さらに人生観、芸術観、世界観をまじえるなど、ふたりの会話を通して機知と詩的幻想、反俗精神に満ちあふれたリラダンの内的世界にふれることができる。 さらに19世紀後半、長足の進歩をとげた科学に対する辛辣な風刺だ。それまでの論議をもとにエディソンはエワルドのために「ハダリー」という理想の人造人間を創るが、「近代科学と天才の華」はいざ誕生してみると、本来の役目をほとんどはたさず船火事で海の藻屑と消える運命に……。 その完璧な創造物を海底ふかく葬り去るところに、科学万能社会やブルジョワ的功利主義、物質主義を呪い、冷笑し続けた孤高の...

サロメ・ウィンダミア卿夫人の扇 (新潮文庫)


オスカーワイルド
¥ 500 通常24時間以内に発送
★★★★

サロメ・ウィンダミア卿夫人...
ワイルドの真骨頂を日本語で味わうにはこの文庫が一番いい。『サロメ』ともかく『ウィンダミア卿夫人』とか『真面目が肝心』などの傑作風習喜劇が併載されている。特に後者はワイルドの最高傑作だとよく言われる。ヴィクトリア朝人のみならず現代人が当然と考えている慣習をことごとく覆し、爆笑と衝撃を同時にもたらす機知に富んだ会話が一番の魅力。翻訳では限界があるのでこれを読んだら原文で。世紀末文学「サロメ」である。結構衝撃を受けた。たしかに、怪奇、幻想、恐怖の文句は伊達ではない。「岩波」の方も読んだが、そっちのはビアズレーの挿絵が素晴らしかった。こっちの方をお奨めする。特にラストシーンの挿絵は寒気を起こす。また、この本には「まじめが肝心」という話も入っている。これは、「婦人の扇」よりもさらにウィットが聞いていて良い。ワイルド◎。・なんて素晴らしく青い目をしてらっしゃるんでしょう、アーネスト!本当に真っ青だわ。いつもちょうどそんな風に私を見て頂戴ね。とくに他の人がいるときは。・「日記を書き留めておかないと忘れるの」 「どこへでもねえ、セシリー、もって歩ける記憶という日記がありますよ。 「ええ、でもそれは、...

阿Q正伝・藤野先生 (講談社文芸文庫)


魯迅 駒田信二
¥ 1,029 通常24時間以内に発送
★★★★★

阿Q正伝・藤野先生 (講談...
以前、別の文庫でも読みましたが、 やっぱり藤野先生も読んでおかなきゃと思って、 買ってあったもの。 今回の出張で読みました。 岩波文庫が『吶喊』の構成そのままなのに対して、 講談社文芸文庫は第一小説集の『吶喊』と第2小説集の 『彷徨』、そして自伝的回想録『朝花夕拾』から抜粋している。 魯迅の代表作を広く読みたいならば、こっちのほうが いいかもね。 藤野先生は『朝花夕拾』に掲載されており、本書では 最後に載っています。 日本留学時代の仙台の恩師、藤野先生との交流と 描いた話だとは知っていたけれども、 もっと深いテーマを描いているということを知る。 医学校にて、「中国は弱国であり、中国人は低能である」と 見られていることにづかされ、また、ロシアスパイとして 処刑される中国人のフィルムを見ることとなる。 そこで、近代医学をもって、祖国に貢献しようと 思っていた魯迅は、医学を捨て、文学によって、 祖国の人々を内面から変えていこうと志すのである。 まさしく、関口知宏の「異郷有悟」である。 『吶喊』や『彷徨』は清代末期民国初期の憂いを描いて いるけれども、「藤野先生」は日本が舞台だけに...

幸せな王子


オスカー・ワイルド
¥ 1,680 通常24時間以内に発送
★★★★★

幸せな王子
恥ずかしい… 子供の頃読んで、 絵本じゃなく小説で読んだこともあって、 何度も読んだ絵本。 買おうと思って久しぶりに読んでみた。 子供がワイのワイの騒いでる絵本コーナーで 鼻スンスンいわせながら必死で我慢してたんだけど… 不覚にも… 何でこんな絵本に弱いんだろ俺… 全人類これを教科書にしよう。この本、決して子ども用ではありません。 読み聞かせても、なかなか分からないと思うし、 子ども向けに書かれた本でもありません。 語彙を見れば分かると思います。 絵本という体裁をとっていますが、 100%大人向けの本です。 泣けます。 美しいです。 他に形容する言葉が見つかりません。 同じ清川さんの「人魚姫」も好きですが、 物語の内容としては こちらの方がさらに好きです。 美しく、心が清らかになる気がします。 心のデトックスとでもいうような。 先日、ある書店に行ったら、 この本が普通に子どもの絵本コーナーに「のみ」 置かれていました。 ちょっと違うと思うけどなー。 子どもの絵本コーナーにも「あっても」 いいかも知れませんが、これはあくまで大人用。 大人のコーナーに置いてくれ...

ドリアン・グレイの肖像 (光文社古典新訳文庫)


ワイルド
¥ 780 通常24時間以内に発送
★★★★★

ドリアン・グレイの肖像 (...
むかし読んだ時も思いましたが、ヘンリー卿は やっぱアホです(笑) なかなかデカダンなキャラです。 しかし、風刺が効いていて名言も多いのは事実。 現代でいえば、援交してる中年の管理職みたいな おっさんです。 ドリアンは若さを売りにしてる、その援交相手の 女子高生ってところでしょうか。 そしてその隣りでやきもきしながら、溺愛してる 娘の変化をただ見ている事しか出来ないダメ親父 が画家のバジルですね(笑) これを読んでリンカーンの名言、 「生き方は顔に出てくる。人間、四十を過ぎれば 自分の顔に責任を持たなければならない」 ってのを思い出しました。 自分は小説をあまり読まないし、外国の文学史もほとんど知らないのですが、「ボウイが少年の頃から愛読していた」と聞いて読んでました。なるほど、ボウイのデカダンやグラマラスな雰囲気は、ここにルーツがあるのかも、と思わせる小説でした。なにより「美」と「変容」というテーマがデビッド・ボウイの存在そのものと相通ずるものがありますね。 私は小説が苦手なので、本書もこんなふうな不純な動機で手に取りましたが、純粋に小説が好きな方にも十分な手応えのある作品&翻訳だ...

幸福な王子―ワイルド童話全集 (新潮文庫)


ワイルド
¥ 460 通常24時間以内に発送
★★★★★

幸福な王子―ワイルド童話全...
清く美しい童話、というイメージがあったオスカー・ワイルドを再読。 収録第一作目「幸福な王子」は記憶通りであったものの、以降「ナイチンゲールとばらの花」「わがままな大男」「忠実な友達」...と読み進むうちそのイメージがどんどんと傾いてゆく。 読み終わってみれば結局、狡猾で自己中心的でわがままな人々が正直者を餌食にし、その屍を踏みつけ乗り越えて能天気な暮らしを続行してゆく話のオンパレード。考えてみれば「幸福の王子」とてそのパターンの一亜種なのであった。 なんとシニカルな童話集だろう!著者オスカー・ワイルドとは一体どんな人物だったのか、関心が湧いてくる一冊であった。「サロメ」や「ドリアン・グレーの肖像」などで有名なオスカー・ワイルドの童話集。表題作は子供向けにリライトされたものが流布しているので、そちらを知っている方も少なくないでしょうが、こちらが原作です。童話といってもむしろ寓話的要素が強く残酷な内容も多いので、子供向けというより大人のための童話集でしょう。これらの童話には、救いのない結末をむかえるものが少なくない。この中で、子供にも「納得のいく」終わり方をしている作品は、二本あるかない...

レ・ミゼラブル〈上〉 (岩波少年文庫)


ヴィクトルユーゴー
¥ 756 通常24時間以内に発送
★★★★

レ・ミゼラブル〈上〉 (岩...
この作品を初めて読んだのは30年以上も前の小学生か中学時代で、それも少年少女版であったと思う。当時の自分には社会から虐げられた元犯罪者の悲しい物語という印象しか残らず、それ以来この作品を手に取ることはなかった。しかし、最近ある新聞でこの作品を何度も読み返しているという作家のコメントを読み、興味が沸いてきて再び挑戦することにした。 今度は完全版に近いものを読みたいと思い、思い切ってPenguin Classicsの英語版に挑戦することにした。翻訳者のNorman Dennyによると、これでも原書の一部は省略したそうだが、それでも1,200頁にも及ぶ大作であった。 仕事の行き帰りや休日の合間に読んだため、読み終えるのに1ヶ月以上を要したが、それに見合う素晴らしい作品であった。この作品のすごさは、人間の心の奥底をこれまでするかというほど執拗に描く描写力である。例えば、決して主役とはいえないジャン・ヴァルジャンを最初に救う牧師を描くのに50頁以上を費やしているのはほんの一例で、あらゆる登場人物の性格や心の動きが驚くほ繊細かつ執拗に描かれている。また、当時のフランスやパリの社会情勢や政情...

レ・ミゼラブル〈下〉 (岩波少年文庫)


ヴィクトルユーゴー
¥ 798 通常24時間以内に発送
★★★★

レ・ミゼラブル〈下〉 (岩...
この作品を初めて読んだのは30年以上も前の小学生か中学時代で、それも少年少女版であったと思う。当時の自分には社会から虐げられた元犯罪者の悲しい物語という印象しか残らず、それ以来この作品を手に取ることはなかった。しかし、最近ある新聞でこの作品を何度も読み返しているという作家のコメントを読み、興味が沸いてきて再び挑戦することにした。 今度は完全版に近いものを読みたいと思い、思い切ってPenguin Classicsの英語版に挑戦することにした。翻訳者のNorman Dennyによると、これでも原書の一部は省略したそうだが、それでも1,200頁にも及ぶ大作であった。 仕事の行き帰りや休日の合間に読んだため、読み終えるのに1ヶ月以上を要したが、それに見合う素晴らしい作品であった。この作品のすごさは、人間の心の奥底をこれまでするかというほど執拗に描く描写力である。例えば、決して主役とはいえないジャン・ヴァルジャンを最初に救う牧師を描くのに50頁以上を費やしているのはほんの一例で、あらゆる登場人物の性格や心の動きが驚くほど繊細かつ執拗に描かれている。また、当時のフランスやパリの社会情勢や政...

肉体の悪魔 (光文社古典新訳文庫)


ラディゲ
¥ 500 通常24時間以内に発送
★★★★★

肉体の悪魔 (光文社古典新...
前から読みたいと思っていながら、なかなか読む機会に恵まれませんでした、新訳が出たというので、この機にと読んでみました。 物語の内容自体は、15歳の少年が19歳の人妻を愛し、子供まで作ってしまうということで、現代ではどこにでもありそうな話ではあります。 ただ、この作者ラディゲは初めてなのですが、この少年の心理描写に唸らされました。具体的な動きを描写しなくても、主人公の心理描写だけで、その光景を彷彿とさせてしまう力量は凄いの一言です。 しかも、その心理描写たるや、当時であればそう感じただろうなと、一つ一つ納得の出るものでした。 第一次世界大戦という異常時を舞台にしており、そこでは、人々の狂気がピークに達し正常な論理が崩れる時です。しかも、主人公が刹那的な考え方を持っていても、全く違和感のない時代環境です。 そう考えると、主人公は登場すべくして登場したとも言えます。 マルトの死によるラストも見事で、主人公の反応も結果としては納得できるものです。 流石に、古典の名作として残るだけの作品でした。「僕はさまざまな非難を受けることになるだろう。でも、どうすればいい?戦争の始まる何...

阿Q正伝 (角川文庫)


魯迅 増田渉
¥ 399 通常24時間以内に発送
★★★★

阿Q正伝 (角川文庫)
「狂人日記」や「阿Q正伝」、「故郷」など、魯迅の代表作が数多く収録されています。各作品の登場人物を通してそれとなく、儒学を媒介とする中国の封建社会への批判をさせていることが散見されておもしろかったです。 しかしそれよりも興味深かったのは、本書の表紙に記された「吶喊」という言葉です。何かしら社会に向けて自己主張をする時に何よりも辛いのは、賛同を得られることでも、批判を受けることでもなく、何の反響も得られないことだと魯迅は語ります。そのもどかしさが抑えることの出来ない叫びとなったものが「吶喊」なのです。我々にも多かれ少なかれ、似たような経験があると思いますが、こうした魯迅の言葉には 非常に共感を覚えました。中学校以来、30数年ぶりに魯迅を読みました。おもしろかった! 中国文学の翻訳は、おおむね訳文がいい。漢文読みに鍛えられたせいでしょうが、本書も例外ではありません。もちろん、魯迅には駒田信二訳、竹内好訳などもそろっていますが、今回はこの増田訳を楽しむことができて幸運でした。社会に翻弄される人間を描いて、これほど鮮明な印象を与える作品はそうはありません。本書では表題作にあたる「阿Q正伝」...

ゲイ短編小説集 (平凡社ライブラリー)


オスカーワイルド D.H.ロレンス シャーウッドアンダーソン E.M.フォースター ヘンリージェイムズ サマセットモーム サキ Saki
¥ 1,470 通常24時間以内に発送
★★★★★

ゲイ短編小説集 (平凡社ラ...
この小説集には子供も普通に読む小説が入っている。裸体の登場人物はいてもそれにこだわっていないから通常人にはよく考えてみないとそれと解らない。「モーリス」もそうだが、同性愛者に美的センスはあっても自分と違う特性を受け入れるという許容性がない。だから客観的に言えば保守的で抑感情的だ。過激に飛びつく日本人には退屈だろう。平凡社ライブラリーと大橋洋一氏が手を組むとこういう本が出来上がるんだなぁと妙に関心(感動)した1冊です。ゲイ小説…とは言ってもやはり、十九世紀末に作られた作品なのでそんなに露骨なものはありません。選ばれた作家陣も人気作家ばかりなので肩書きは抜きにして、小説を楽しめばいいのではないでしょうか。この面々を一度にめる本なんて他にありませんから。しかし、この本にサキが入っているのにはびっくりしました。大好きな作家なので、全く知らない事実に驚きました。確かにゲイブリル・アーネストはそのケのある作品ですが、他の作品はそんなでもないのです。女性嫌悪(ミソジニー)の傾向があるので、言われてみれば確かにですけどね。巻末の大橋洋一氏の解説が、少しまわりくどい書き方をしていますが、ゲイ小説の経歴...

ジャン・クリストフ 全4冊


ロマン・ロラン
¥ 3,507 通常24時間以内に発送
★★★★★

ジャン・クリストフ 全4冊
読書家をもって任じてきたが、これほど感動させられた本にはかつて出会ったことがない。 西洋の言葉から日本語に訳すのは無理がある。この作品でも訳のギクシャクした文体に当初はかなり抵抗があった。しかし一度そういううわべを透かして作者の言わんとする内容が見えるようになると、もう完全な虜になってしまった。一言一言、一文一文貪るように読み進んだ。主人公を始めとして、忘れ得ない数多くの人物に遭遇させてもらった。もうとにかく感動、その一語に尽きる。 ロマン・ロランは、技巧においてはプルースト等に及ばないかもしれない、しかしこの作家の力は魂自体の驚くべき清冽さにこそある。その飽くことなき理想追求の姿勢にある。 ジャン・クリストフを生涯の友として、彼から力を得て戦う一人となれたことを嬉しく思う。ベートベンを神格化しての本ですが、独文学風の成長物語として外せない本です。 ベートベンFanの方には是非一読をお勧めします。 これだけ長大な作品は、短いコメントを付すのに全く適さないと思います。それでも気に入ったので、無理を承知でこの作品をどのようにとらえたか、記してみましょう。これはジャン・クリストフという音...

悪魔の詩 上


サルマン・ラシュディ 五十嵐一 SalmanRushdie
¥ 2,100¥ 300¥ 1,800
★★

悪魔の詩 上
〜この本の日本語翻訳版は二重の不幸をしょっています。まず、例のホメイニ騒動による不幸、そして、翻訳のあまりの酷さによる不幸、の2つです。あれだけ話題になった(さして難解ではない)本がついに日本国内でまともな評価を得られないまま、15年も(!)放置されているのは、内容うんぬん以前に、誰も日本語訳を読み通せなかったから、ですね。〜〜会話文は誰の台詞なのかわからないわ、現代の話を過去の話とごっちゃにするわ、ただでさえわからない誤訳だらけの文章に、「でござる。」だの意味不明語を使われた日には、頭も痛くなります。"Otto e Mezzo" を「オットー大帝」(?)と訳していた部分には本当にたまげました。訳者は フェリーニの "8 1/2"〜〜 も知らなかった人なわけね。訳者が事件に巻き込まれたのは残念でしたが、この本も本当に不幸ですね。ちなみに原書は、サッチャーへの揶揄, IRA, ホメイニ など日本語訳では全くわからなくなってますが、80'sロンドンの南アジア人移民の人生をマジックリアリズムで描いた傑作です。〜この本にイスラム教を信じる人にとっても、イスラムに反対な人にとっても所々面白い部...

哲学入門 (新潮文庫)


ヤスパース 草薙正夫
¥ 460 通常24時間以内に発送
★★★★★

哲学入門 (新潮文庫)
ラッセルの哲学入門も読んだのだが、同じ題名でも視点は全然違いました。哲学するとはどういうことなのかを知るにはおすすめできると思います。 様々な哲学者にも触れ、幅広い内容です。ラジオ講演を基礎としているので語り口調に感じました。 ヤスパースはもともとが精神科医だったということもあり、じぶんという個々人の経験に即して哲学の世界に私ちを導いてくれる、「哲学入門」には最適な哲学者だろうと思います。「人間が挫折をどのように経験するかということは、その人間を決定する要点であります…人間が自己の挫折をどのように経験するかということが、その人間がいかなるものとなるかということを立証するものであります」、これらの言葉は殊に難しく考えずとも、私たちの頭で「なるほど」と思えることではないでしょうか。哲学というと難しいことばかりのような気がするけれど、無視できない、ちょっと哲学の世界をのぞいてみたい、という方にまさにお勧めの本です。

ああ無情―レ=ミゼラブル (講談社青い鳥文庫 (134‐1))


ビクトル=ユーゴー 塚原亮一 篠崎三朗
¥ 704 通常24時間以内に発送
★★★★

ああ無情―レ=ミゼラブル ...
ああ無情、フランス文学では、レ・ミゼラブル。何とも言えず悲しい物語です。コットに対するジャンバルジャンの愛が見られますが私にはやはり少し悲しい結末に思われました。小さい頃に読んだ本をあらためて読んでみると感動があります。

真夜中の子供たち〈上〉 (Hayakawa Novels)


寺門泰彦 サルマン・ラシュディ SalmanRushdie
¥ 1,937¥ 999
★★★★★

真夜中の子供たち〈上〉 (...
疑いようのない傑作です。 インド独立と同時に生を受けた主人公の半生を軸にした物語なのですが、露骨に寓喩的な設定にもかかわらず、逸話、メタファーの氾濫でそんなことは忘れてしまいます。 インドとパキスタンの現代史を背景に、主人公の周囲で超自然的で・一見荒唐無稽な事件が続き、それらを通して、強烈な風刺、アレゴリーが綯交ぜになって読む者の心を揺さぶります。まさに、マジックリアリズムの名手であるラシュディの面目躍如といったところ。プロットもすばらしく、また決して明るい内容の物語ではないにもかかわらず、コメディタッチの語り口は、非常にentertainingでもあります。 とかく「悪魔の詩」のイメージが強いラシュディですが、これを読んで現代文学における最高の書き手の一人であることを確認。今インドに駐在していて、仕事の関係上パキスタンにもよく行きます。この両国、パキスタンの独立以降ずうっといがみあっているのですが、ラシュディ先生の世界的なデビュー作であるこの小説を読んでいると、その二つの国、民族、宗教の対立、擦れ合いが背後から音を立てて迫って来るような感じがします。他の作品でもそうなのですが、先...

真夜中の子供たち〈下〉 (Hayakawa Novels)


寺門泰彦 サルマン・ラシュディ SalmanRushdie
¥ 1,890¥ 4,000
★★★★★

真夜中の子供たち〈下〉 (...
疑いようのない傑作です。 インド独立と同時に生を受けた主人公の半生を軸にした物語なのですが、露骨に寓喩的な設定にもかかわらず、逸話、メタファーの氾濫でそんなことは忘れてしまいます。 インドとパキスタンの現代史を背景に、主人公の周囲で超自然的で・一見荒唐無稽な事件が続き、それらを通して、強烈な風刺、アレゴリーが綯交ぜになって読む者の心を揺さぶります。まさに、マジックリアリズムの名手であるラシュディの面目躍如といったところ。プロットもすばらしく、また決して明るい内容の物語ではないにもかかわらず、コメディタッチの語り口は、非常にentertainingでもあります。 とかく「悪魔の詩」のイメージが強いラシュディですが、これを読んで現代文学における最高の書き手の一人であることを確認。今インドに駐在していて、仕事の関係上パキスタンにもよく行きます。この両国、パキスタンの独立以降ずうっといがみあっているのですが、ラシュディ先生の世界的なデビュー作であるこの小説を読んでいると、その二つの国、民族、宗教の対立、擦れ合いが背後から音を立てて迫って来るような感じがします。他の作品でもそうなのすが、先生...